学校のデータ管理等について。

Sunday 12 April 2020

学校教育

 日本ではつい先年、萩生田文科大臣が、「GIGA スクール構想」を打ち出し、学校のICT環境整備を宣言したが、現実には相当厳しい状況にある。これまで首都圏の2つの自治体で働き公立の学校現場を見てきたが、どちらもWi-fiがない、自分のパソコン持ち込み禁止、データは持ち出し禁止であった(許可を得ればUSBで持ち出せはするが)。教育委員会がデータ漏洩を恐れるのはわかるが(実際データ紛失の服務事故が毎年数件起こっている)、それによってどれだけの代償(授業の質がおちる、やる気のある教員の士気を削ぐ)が払われているのか、しっかり検証すべきである。というのも学校に生徒がいる間は、授業研究の時間など全く取れないといっていい。子どもの様子を見るために、教員には昼休みさえない。どこで授業準備をせよというのか。それでいて、教育委員会は「授業の質をあげよ」というのだから、めちゃくちゃである。その結果、授業ストックのない真面目な新人教師たちは、家で休日に授業準備するのだが、それがあたかも悪いかのような仕組み(わざわざUSBの許可を得なければいけない)は、おかしい。

 というか、本当にUSB紛失事故をなくしたかったら、USBでデータを持ち出さないように制度設計すべきである。例えばいくつかの私立学校では、Googleドライブで成績や教材の管理をしている。バックアップや万が一に備えてプリントアウトでもしとけば安全である。なぜ真似しないのか、不思議でさえある。