UKの校長先生が大変なことになっている

Monday, 7 May 2018

学校教育

 昨日の記事によると、UKでは、2013年に着任した50代以下の中学校の校長先生のうち、31%の方が3年以内に辞職されたらしい。これに関して、校長を養成するためにかなりの税金が無駄になっていると校長協会の代表から警告が発せられている。野党が、現在のシステムでは校長がリーダーシップを発揮するのはほぼ無理だと非難している。
 こちらの学校を視察させていただくと、比較的若い先生が校長をやっておられるので、相当やり手な方々なのかと思ったが、現実はそう甘くないらしい。日本の教育委員会の元で教員をしていた私から見れば、こちらの校長が人事権から財政権まで全ての権限を持っていることから、大変だろうなと思っていた。政府はオフステッドによる視察で成績の悪い学校、改善がなされない学校は校長を変えることによって対応してきた。それは全ての責任が校長のリーダーシップにあるという考えからなのだろう。しかし、それはあまりにも酷な話である。各学校にはそれぞれの事情がある。そう簡単に数字だけで一律的に判断していいものなのか。昨年には、校長の経営が失敗して学校が潰れるということもあった。そこで一番被害に遭ったのはその学校の生徒である。日本でも校長先生にリーダーシップと言いながら全ての責任を押し付けようとしているようだが、そんなことをしていたら校長になりたい人がいなくなるだろう。