学校の気質(school climate)と成績の関係を調べていたら、面白い論文をみつけた。
学校の気質が生徒の成績に影響をあたえているだろうなというのは、直感的に感じるだろうし、エビデンスによっても証明されている。そりゃ、学校が勉強に重きを置いていれば、生徒も勉強やんなくちゃとなりやすいし、部活に力を入れていれば、部活を一生懸命やる生徒が多いだろう。また雰囲気が悪い学校と、いじめは関連しているだろう。
今回の論文では、学校の気質がどうやって影響を与えているのかについての考察が書いてあった。それによると、生徒の成績に影響を与えるベスト3は、
1位 親の教育
2位 家庭の経済力
3位 school identification
らしい。
何て訳していいか分からんが、identificationって、要は、学校の気質、どういう学校か、ということだと思う。どうやってこのidentificationが、成績に影響を与えるかっていうと、個々の気持ちや行動が、個人的なレベルから、学校の一員という意識に変わって行くということらしい。I から We に意識が変わるということだ。「俺、私」が「俺ら、私ら」に変わる。うん、何となく分かる。
そしてもう1つ、学校とのつながり、生徒が学校に対して感じる帰属意識と、生徒の成績には関連があるらしい。よく言われる自分の「居場所」があるかないかは学業にまで影響を与えるとても大事なことだということだ。(学力が高い子が、それによって自分の居場所を得ることもあるかもしれんが)
私はあまり論理的な考え方が得意ではないのだが、日本の学校の部活ってかなり重要な役割を果たしているんだなと感じる。部活に自分の居場所を見いだす子はかなりいるだろうし、また部活は「〜学校の代表」として参加するため、嫌がおうにも学校とのつながりを意識させる。若い先生が「部活何てやってられない」という気持ちはとてもよくわかるが(私もまだ20代で、部活には苦労しているが)、生徒の成績を伸ばすには、大事な要素となりうるのだ。そう簡単に。「はい、じゃあ外部指導委員に丸投げしましょう、スポーツはクラブチームに任せましょう」じゃあ、よくないんじゃないかと、この論文を読んで思ったのである。
学校改革をしようとしている校長先生、教育委員会の方々は、どうやって生徒の帰属意識を強めるかに、もっと焦点を絞ってみるといいかもしれない。
参考文献
Reynolds, K.J., Lee, E., Turner, I., et al. (2017) How does school climate impact academic achievement? An examination of social identity processes. School Psychology International, 38 (1): 78-97.
学校の気質が生徒の成績に影響をあたえているだろうなというのは、直感的に感じるだろうし、エビデンスによっても証明されている。そりゃ、学校が勉強に重きを置いていれば、生徒も勉強やんなくちゃとなりやすいし、部活に力を入れていれば、部活を一生懸命やる生徒が多いだろう。また雰囲気が悪い学校と、いじめは関連しているだろう。
今回の論文では、学校の気質がどうやって影響を与えているのかについての考察が書いてあった。それによると、生徒の成績に影響を与えるベスト3は、
1位 親の教育
2位 家庭の経済力
3位 school identification
らしい。
何て訳していいか分からんが、identificationって、要は、学校の気質、どういう学校か、ということだと思う。どうやってこのidentificationが、成績に影響を与えるかっていうと、個々の気持ちや行動が、個人的なレベルから、学校の一員という意識に変わって行くということらしい。I から We に意識が変わるということだ。「俺、私」が「俺ら、私ら」に変わる。うん、何となく分かる。
そしてもう1つ、学校とのつながり、生徒が学校に対して感じる帰属意識と、生徒の成績には関連があるらしい。よく言われる自分の「居場所」があるかないかは学業にまで影響を与えるとても大事なことだということだ。(学力が高い子が、それによって自分の居場所を得ることもあるかもしれんが)
私はあまり論理的な考え方が得意ではないのだが、日本の学校の部活ってかなり重要な役割を果たしているんだなと感じる。部活に自分の居場所を見いだす子はかなりいるだろうし、また部活は「〜学校の代表」として参加するため、嫌がおうにも学校とのつながりを意識させる。若い先生が「部活何てやってられない」という気持ちはとてもよくわかるが(私もまだ20代で、部活には苦労しているが)、生徒の成績を伸ばすには、大事な要素となりうるのだ。そう簡単に。「はい、じゃあ外部指導委員に丸投げしましょう、スポーツはクラブチームに任せましょう」じゃあ、よくないんじゃないかと、この論文を読んで思ったのである。
学校改革をしようとしている校長先生、教育委員会の方々は、どうやって生徒の帰属意識を強めるかに、もっと焦点を絞ってみるといいかもしれない。
参考文献
Reynolds, K.J., Lee, E., Turner, I., et al. (2017) How does school climate impact academic achievement? An examination of social identity processes. School Psychology International, 38 (1): 78-97.
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