2024年1月号の『英語教育』の雑誌に、「評価発問」について新潟県立大の峯島先生が記事を書いていらっしゃって、ちょうど自分も考えていたことだったので、共有します。
私は今年度から国際バカロレア校(通称IB校)の中高一貫校(一条校)に勤務しています。そこのカリキュラムや評価方法がとてもユニークなので、結構勉強になりました。IBでは、一般的な外国語の授業は、「言語習得」Language acquisitionと呼ばれます。その中でConventionという概念があり、結構これが頻繁に出てきます。Conventionとは、簡単にいえば、読み物であれば、書き手が読み手をひきつけるためのテクニックや工夫のようなものといえばいいでしょうか。例えば、タイトルがキャッチーなものになっている、フォントをあえて変えて強調している、クエスチョンを多用して読み手を引き込もうとしている、図表を入れて、読み手が視覚的に理解しやすいようにしている、多くのエビデンスを示して説得力を増している、などです。これは書き物だけでなく、ラジオやポッドキャストのような音声におけるConventionも同様にあります。
そして、授業の中で、何かしらのテキストや音声を提示する際、生徒にまずこのConventionを問いかけます。これは一体どういうタイプのテキストまたは音声なのか、誰が書いて(話して)いるのか、信憑性はあるのか、意識的に分析させるのです。こういうことって、あまり日本の学校では行ってこなかったことだと思います。しかし、今やAIがいくらでもフェイクニュースを作成してしまう時代、こういう、テキスト自体の質を問うことの重要性は絶対的に必要になるでしょう。
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