子どものいじめについて、親目線でその対処について考える

Tuesday 3 January 2023

学校教育

 子どものいじめというのは、いじめを受ける者へ生涯の心の傷を負わうるほどに、残酷なものです。それでありながら、どこでも起こりうることです。親からしてみれば、我が子がいじめにあっていると思えば、胸が張り裂けんばかりのつらいことです。ここでは親の一つの対応例として書いてみます。

① いじめの事実関係をしっかり把握する。
 子どもから、「学校でいじめを受けている」と言われた場合、それは重要なSOSサインです。そのときには、「誰にやられたの!?」とかっとなったり、「あなたがいけないんでしょ」と決めつけてはいけません。まずは、気を落ち着けて、「そうなの、それはつらかったね、話してくれてありがとう」と言ってあげましょう。その上で、どういう状況で、どういうことがあったのか、繰り返し続いているのか、ということなどをしっかり聞き取りメモをとりましょう。ここで曖昧だといけません。なるべく具体的に状況をききだしましょう。この時点で、その子に問題があるところは、しっかり本人に指摘し、直すべきところは意識させるべきです。一方で、その子にはどうしようもないこと、相手の問題は学校に連絡しましょう。

② 学校に連絡する。
 いじめの状況を具体的にした上で、学校に連絡しましょう。担任に言うよりも、教頭先生や学年主任の先生がいいでしょう。担任よりも客観的にみられるからです。まずは学校に対応をお願いしてみましょう。このとき、「うちの子は悪くない。学校の指導力不足だ!」「学校の責任だから、学校が解決してくれる、そうでなくてはいけない」と思うべきではありません。教育は家庭と学校が協力して行われるものです。

③ 子どもの目線で考える、教育を第一で考える。
 いじめを解決するには、学校と保護者が共に取り組まないといけません。「私は仕事が忙しいのに」「あなたのために仕事を休むから」こんな考えは言わなくてもすぐに子供に伝わります。いじめが起こった場合、学校でやらなければいけないことと、家庭でやるべきことは別で、その両輪がないと本質的な解決には至りません。では、家庭でやるべきことは何か、それは普段の家庭でのコミュニケーションを大事にして、子どもの心に防波堤をつくってやることです。仕事の片手間ではなく、子どもの顔をみて、本気で話を聴くべきです。「きょうはどうだった?」「もし、嫌なことがあったらすぐに相談して。親にいいづらかったら先生や他の大人でもいいからね」と声がけし、話を聴いてやりましょう。「いじめをしてしまう子もきっとそうされてきたんだろうね」「こちらに非がないのなら、そういう人には近づかないのが一番」という声がけも効果的かもしれません。

 「いじめが起こった場合は、100%加害者が悪い」これは基本です。
しかし、前にも書いた通り、いじめはどこでも、大人になってもおこりうることです。そのあとまた起こった時に、どう自分は対処するか、それをしっかり示してやることが大事です。


④ 子どもの居場所を学校以外に作ってやる
  家庭が心休まる場所としてある生徒は、たとえ学校でいじめが起こっても、対してダメージを受けません。小学校低学年のうちはとくに、親は教育第一であるべきです。仕事を言い訳にしてはいけません。その数年間を仕事に費やしてしまうと、後で痛い目にあいます。これは間違いない必ず起こります。気をつけてください。中には、子どもの「ために」と言って、習い事や塾漬けにして、教育をしていると勘違いしている親がいます。はっきりいってそれは、ただの「教育の外部委託」です。胸を張れることではありません。
 その上で、もし家庭と学校以外の心休まる場所が作れれば、それは子どもにとってプラスとなるでしょう。習い事や近所の人、祖父母の家などがそれになりうるかもしれません。

⑤ その子の得意なことを褒めてやる
 「勉強の成績」を唯一の価値判断にもっている人がいますが、それは間違っています。「勉強の成績」なんていうのは、たくさんあるうちのほんの一つの価値です。「勉強ができないこと」を責めるのではなく、一緒に勉強をしてあげてみてください。
 さらに、好きで得意なことがある子どもは強いです。何か一つ、好きで得意なものができるように支援してやりましょう。根気強く支援しましょう。「何をやっても才能がない」と思ってはいけません。もしそうなら、それは親、指導者の責任です。

 もう一つ、転校を考えるという手も考えるかもしれません。学校の対応がどうしても納得がいかないことがあります。また、人間関係というのは、そう簡単に変わるものではなく、たとえ相手が謝ってもまた起こりうると思えば、転校も一つの選択肢としてありかもしれません。
そのとき、一度考えて欲しいのは、いじめはどこでも起こりうることだということです。だったら、いじめが起こった時にどうするか、どうやり過ごすか、これを教えるときだと、覚悟を決めて、子どもと向かい合うことも必要です。

 まとめです。いじめにはすぐに学校と保護者で共に対処しましょう。いじめを「最悪の事態」として捉え絶望するのではなく、これを子どもとのコミュニケーションのきっかけにしないといけません。そして、いじめへの対処を学ばないといけません。もしかしたら、いつか、大人になって、同じことが起こった時に、「いじめてるやつかわいそ」くらいに思えればいいですね。