寄付について考える

Sunday, 13 February 2022

その他

  私はクレジットの自動振り込みで毎月1万5千円寄付をしている。振込先は、国際的に人道支援をしている団体である。ここにこうやって書いているが、このことは誰にも言っていない(みなさんは私のことをしらないので)。だから、なぜ寄付をするのかときかれれば、「貧しい人や大変な環境にある人を助けたいから」という気持ちがまず第一にあると思われる。

 ところが、先日団体先から確定申告のための税控除書類が届き、改めて1年間の寄付総額を見た時、ふと、私はそれがまるで投資の積み立てのようなものに感じた。その瞬間、「だめだな」と思った。ちなみに私は寄付をしているのと同様に、投資にも手を出している。投資とは、未来の見返りを信じて行う賭けである。それで、先程の話に戻って、何がダメかというと、自分が心の奥で、寄付に見返りを求めていたことである。「これだけ自分は寄付をしたんだから、自分にはいいことがあるはずだ」このような思いは、結局自分のために寄付をしている、いわゆる自分勝手な利他なのである。

 では、寄付に見返りを求めないなら、どのような思いで寄付をするのがいいのだろうか。それは、今自分がこうして幸せに暮らせることへの感謝の思いを表現する行為としてなされるのがいいのだろう。「今」への感謝であり、それ一回切りの行為なのである。投資のように積み立てられるものではないのだ。

 気づいたら落ちている自動振り込みは確かに便利ではあるが、それでは寄付の「今への感謝」の感覚が薄れてしまう。手間かもしれないが、せめて毎月銀行に行って払う行為が必要なのかもしれない。