中学校英語の授業で、リサーチ時間をどの程度確保すべきなのか。「リサーチ疲れ」にならないために

Sunday 22 August 2021

学校教育 英語教育

  最近、PBL(プロジェクト型学習)や探求学習といった学習方法が流行っています。私も先学期は総合的な学習の授業において、グループでの探求学習を実施しました。課題設定から始めて、リサーチ、考察、提言、発表と手順通りに行っていきました。生徒の主体的・対話的な学びをある程度実現でき、学びの楽しさを思い知りました。

 ただ、当たり前のことですが、これによって、教師が「教えること」や「訓練的な学び」が疎かになってはいけないと思います。新しい中学校英語の教科書をみると、この「自らの学び重視スタイル」は英語の授業においても顕著になっています。英語の教科書を開いてみると、SDGsや多様性の内容の文章が多く、「リサーチして発表しよう」タイプが多いわけです。このリサーチが思った以上に時間がかかるわけです。こちらがこれくらいでできるかなと思っている以上に時間がかかることが多い。そして長い時間インターネットを使って調べるといっても、大抵ウィキペディアやいわゆるまとめサイトを見て、それを書き写すだけ。そこにどれほどの学びがあるのか、疑問に思います。であれば、あらかじめこちらから調べるべきことを限定して、肝心の英語の学習にもっと時間を割くべきでしょう。

 教えるから学びへの転換は確かに重要です。しかし、今はその移行プロセスの中の初期段階なので、少し「学び」重視に傾きが過ぎる気がします。何事も何かを変えるときには逆に傾きすぎる時期は不可避なのかもしれませんが、現場の教師としては、しっかりバランスをとって、本質をついた学びを実現していきたいものです。