ナルコレプシー患者のHLAタイプが同じであるということは、祖先が近いということ。

Sunday 5 July 2020

ナルコレプシー

 今日は部活がなく時間があるので、ナルコレプシーの調べ物をしてみます。
  
 先日、タモリと山中教授が出演するコロナウィルス関連のNHK番組を見ていて、「HLA」というキーワードが挙げられました。私はこの単語を見て、あれ、と思ったのです。なぜならナルコレプシー関連の記事でよく目にするからです。改めてwikiを見てみると、ナルコレプシーの診断基準として、HLA-DQB1*06:02を持つかどうかで判断されるということが書いてありました。日本人のナルコ患者のほぼ100%の患者がこのHLAをもつというのです。これはどういうことなのでしょうか。それについてちょっと調べてみました。

① HLAとは何か
 HLAとは、日本語で「ヒト白血球抗原」といい、「白血球の血液型」として知られるものです。実際には白血球だけでなく、ほぼ全ての細胞と体液に存在するということです。何をしているかというと、外から侵入してくる病原微生物やウイルスをやっつけてくれる免疫システムの目印のようなものになっています。約16000種類もの多くの型があるのですが、それには理由があります。外部からあるウィルスが侵入した際、一部のヒトは対応できずになくなったとしても、それに対応できる免疫を持ったヒトは生き残れる、つまり人類が全滅するのを防ぐためのものだというのです。(参照:https://keystone-lab.com/feature/0011/0011.html
上の記事の猪子先生によれば、このHLAが人間の個性を形作っていて、人間同士の相性にも影響するというのです。よく男女の相性をチェックするのに、血液型が使われます。これは科学的根拠がないものの、一定数の日本人が信じています。一方で、このHLAは科学的根拠のある「血液型相性診断」が今後可能になるということです。近い将来、日本人の多くが自己紹介欄に、自分のHLAタイプを書くときがくるのでしょう。そして、例えば結婚するときには、このHLAで相手を選ぶ時代がくることが予想されます。

 ちなみにコロナに対しても高い免疫能力を有する人がいて、そのような方の「スーパー免疫」を移植された重症のコロナ患者が、あっという間に回復してしまったということが先のNHKの番組で紹介されていました。


② ナルコレプシーの人は、いわば私の家族である。

 さて、いきなりですが、この記事を見て下さっているナルコレプシー患者の方々は、私と祖先が近い、いわば家族のような方々と考えていいらしいです。なぜなら、このHLAは両親からそれぞれ受け継ぐものであり、これをトラッキングすればある程度祖先がわかるというのです。東大医学研究科の徳永勝士先生は、このHLAのハプロタイプを基に、日本人の起源を調べる研究を行いました。(参考:https://blog.goo.ne.jp/japanorigen/e/0eb4d308d9b708c94126908121ea0532
ちなみに、ナルコレプシーとの相関が高いHLA-DQB1*06:02をもつヒトは、日本人の12〜13%、白人の20〜25%だということです(このHLAを持っているからといって必ずしもナルコにかかるということではない)。(参考:https://bsd.neuroinf.jp/wiki/%E3%83%8A%E3%83%AB%E3%82%B3%E3%83%AC%E3%83%97%E3%82%B7%E3%83%BC

③ HLA-DQB1を持つ人がなりやすい病気がわかってしまった!
 さて、あるHLAをもつ人がどんな病気になりやすいか、そんなことを大阪大学が研究しています(https://www.gwern.net/docs/genetics/heritable/2019-hirata.pdf)。この論文によれば、HLA-DQB1を持つ人は、肝炎やメタボ、コレステロール、高脂血症、肺がん、そして乾癬と相関があるらしいのです。ん、そういえば母が高脂血症だったような、そして自分はコレステロールに問題があり、また皮膚トラブルも抱えているな、と的中しています。ちょっと恐ろしいですが、今後はこういう情報がいい方向に利用されていけばいいですね。


 さて、今回はHLAからナルコレプシーのことを深めることができました。感想やコメントをいただけると、今後の調べ物に一層精が出ますので、よろしくお願いします。
 
(本記事は、いち中学校教員の調べ物で、完全な素人の調べ物です。)