教員は「学びの専門家」ではなかったか。部活動を巡る議論に

Saturday 25 July 2020

学校教育 教員採用

 昨今では部活動に対する風当たりは厳しい。私の学校でも、特に自分より若い20代の教員は、部活動は仕事外のことだという認識を持っていて、それほど熱心ではない。こういう状況は、世間の流れ、いわゆる「働き方改革」の大号令のもとで、さらに顕著になるだろう。私自身、現在サッカー部の顧問を任されているが、決して「部活一筋教員」ではない。「何の仕事をしていますか」と問われれば、胸をはって「英語教師」と答える。週1回は何がなんでも休みをとるようにしているが、それができないときはほんと嫌になる。

 ところがである。では「部活動はやる必要はない。やめるべきか」と問われれば、反対である。それはこれまで、部活動のおかげで生徒の違う一面を見れたり、より深い信頼関係を築くことができたという経験があるからである。

 冒頭の若手教員のように、専門外の部活動を打診された時、拒否する教員が増えてきているらしい。考えは理解できるが、一方でこう思うのである。もし教員が「学びの専門家」なら、たとえどんな部活を任されても、生徒とともに学び、その学びを楽しむべきではないか、と。かくいう私は、これまでテニス部や野球部を任されてきたが、できる限り一生懸命やってきた。これから吹奏楽や美術、将棋、プログラミングなどを任されたとしても、その度に学びをしていくつもりである。