著者の米原万里さんはロシア語通訳の第一人者です。私自身がスペイン語という英語以外の言語を大学のとき専門にしていたこと、また以前どこかの本で「米原万里」が面白いというのを読んでいたので、たまたま図書館で目に入って、読むことにしました。
まず私が一番面白く感じたのは、男女の違いを明らかにするのに、「牧場で水牛を100頭買う場合、より繁殖させて増やしていくには、オスとメスの割合をどうすればいいか」という問題の考察です。
①オスを1頭 × メスを99頭
②オスを50頭 × メスを50頭
にするのか。みなさんはどう思いますか。
米原さんは、量と質の違いをわかりやすく説明されています。
①の場合、生まれる子牛は99頭です。
②の場合、生まれる子牛は50頭です。
(メス1頭にあたり子牛1頭とします。また浮気はないものとします。)
これだけ見ると①の方がいいように見えますが、多様性という面で見ると、②の方が多様ですよね。そしてこの多様というのはその後の繁殖においてとても重要になってくるといいます。たとえば死の伝染病が流行ったときに、①のようにオスの遺伝子が同一な場合、その遺伝子がその伝染病に弱かったりすると、まとめて全て死んでしまいます。一方、②のように多様性があれば、中には伝染病にかからない牛がいる可能性が高くなります。ちなみに1頭でも本当に優秀な牛を作りたければ、
オスを99頭 × メスを1頭
にするといいます。そうするとオス同士で競争が起こり、本当に強い1頭がメスに子牛を産ませるため、優秀な子牛が生まれてくるといいます。
オスというのは自分で子供を産めないので、より多くのメスと交尾をして自分の子孫を残そうとします。最悪そのうちのどれか1頭でも生き残ってくれればいいわけです。だから質より量です。一方メスは1頭(もしくは2、3頭)しか子供を産めないので、その1頭に質を求めます。量より質です。
最近、ベンチャー企業の大金持ち社長と若手女優が付き合っていることが話題になりました。その社長はバツ2で、子どもも何人かいるようでしたが、その女優はそれが全く気にならないと言っていました。そこには、とにかく「より良い遺伝子を」という女性の質を求める本能が働いているのかなと思いました。一方、ある週刊誌に近頃のお金持ちの男性は生涯に2人以上の女性と一緒になるという記事がありました。手当たり次第に女性を変える男はまさに動物的本能に忠実なようです。
さて、本書の後半には、専門の通訳や言語の話がでています。特に、グローバリゼーションを、外国に合わせようと考える日本と、自分のやり方を押し付けようとする英米という視点はなるほどなと思わされました。
詳しくはぜひ、本書を手にとって自ら読み進めていただくことをお勧めします。
まず私が一番面白く感じたのは、男女の違いを明らかにするのに、「牧場で水牛を100頭買う場合、より繁殖させて増やしていくには、オスとメスの割合をどうすればいいか」という問題の考察です。
①オスを1頭 × メスを99頭
②オスを50頭 × メスを50頭
にするのか。みなさんはどう思いますか。
米原さんは、量と質の違いをわかりやすく説明されています。
①の場合、生まれる子牛は99頭です。
②の場合、生まれる子牛は50頭です。
(メス1頭にあたり子牛1頭とします。また浮気はないものとします。)
これだけ見ると①の方がいいように見えますが、多様性という面で見ると、②の方が多様ですよね。そしてこの多様というのはその後の繁殖においてとても重要になってくるといいます。たとえば死の伝染病が流行ったときに、①のようにオスの遺伝子が同一な場合、その遺伝子がその伝染病に弱かったりすると、まとめて全て死んでしまいます。一方、②のように多様性があれば、中には伝染病にかからない牛がいる可能性が高くなります。ちなみに1頭でも本当に優秀な牛を作りたければ、
オスを99頭 × メスを1頭
にするといいます。そうするとオス同士で競争が起こり、本当に強い1頭がメスに子牛を産ませるため、優秀な子牛が生まれてくるといいます。
オスというのは自分で子供を産めないので、より多くのメスと交尾をして自分の子孫を残そうとします。最悪そのうちのどれか1頭でも生き残ってくれればいいわけです。だから質より量です。一方メスは1頭(もしくは2、3頭)しか子供を産めないので、その1頭に質を求めます。量より質です。
最近、ベンチャー企業の大金持ち社長と若手女優が付き合っていることが話題になりました。その社長はバツ2で、子どもも何人かいるようでしたが、その女優はそれが全く気にならないと言っていました。そこには、とにかく「より良い遺伝子を」という女性の質を求める本能が働いているのかなと思いました。一方、ある週刊誌に近頃のお金持ちの男性は生涯に2人以上の女性と一緒になるという記事がありました。手当たり次第に女性を変える男はまさに動物的本能に忠実なようです。
さて、本書の後半には、専門の通訳や言語の話がでています。特に、グローバリゼーションを、外国に合わせようと考える日本と、自分のやり方を押し付けようとする英米という視点はなるほどなと思わされました。
詳しくはぜひ、本書を手にとって自ら読み進めていただくことをお勧めします。
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