『男はつらいよ おかえり寅さん』を観て

Saturday 4 January 2020

その他

 今日はお正月も三ヶ日が終わりひと段落したので、母と『男はつらいよ おかえり寅さん』を観に行きました。母の実家が柴又のすぐ近くで、母は小さな頃から男はつらいよシリーズをみてきていたので、今回50作目がでたとき、観に行こうと前から話していました。
 映画館にいくと久しぶりに長い列ができていました。恐らく映画館には滅多に足を運ばないような、ご年配の方々がほとんどでした。いかに寅さんが昭和世代の人々に愛されてきたかを感じました。
 映画の内容は素晴らしいものでした。途中じんわりと涙が滲みでてきたことが何回かありました。私自身は平成生まれで、寅さんシリーズを一話もちゃんとみたことがないのに、回想シーンで昔の映画の場面が出てくると、なぜかひたすら「懐かしい」という感覚になりました。最後のシーンで満男が寅さんを懐かしんで涙を浮かべたシーン、またぐっときてないてしまい、結局エンドロール全てみてしまいました。エンドロールが終わった時、隣のご老人が、一人で拍手をして、隣のおくさんに、「昔のことが全て蘇ってくるね」と言っていました。お二人とも目がだいぶ潤んでいました。
 このシリーズが我々にノスタルジーを感じさせる要素は何かといえば、それは「人情」といえるでしょう。人情とは、精選版日本国語大辞典によれば、「人間が本来持っている心の動き。また、人間が自然に備えている思いやりの心。また、男女間の情愛。情け。慈しみ。」とあります。そう、これこそ日本人が元来最も大切にしてきたものです。しかし今や知らぬ間に我々の脳は損得や効率で物事を判断するようになってしまっています。この映画を観て、我々の祖先が大事にしてきた人情や家族の温かさを思い出す人が増えることを願います。