部活動議論で思うこと

Sunday 8 December 2019

学校教育

 最近は教員の働き方改革の議論が喧しい。そして特にその諸悪の根源にされるのが部活動である。教員たちの中には、専門外の部活動の顧問を打診されると、それを固辞する人も少なくないという。まず私の立場を述べるなら、教員が「学びの専門家」なら、たとえこれまで自身の経験がなかったものでも、生徒と共に学んでいけるくらいの謙虚さ、柔軟性が必要だと考える。しかしながら、教員の第一優先事項である授業や、それと同じくらい大切な、家庭生活も犠牲になるべきではない。ではどうすればいいのか、以下意見を述べる。

 確かに部活動の負担は大変なものである。土日の休みが潰れるのも当たり前のように起こる。部活動を持たない教員との仕事量は比べものにならない。報酬は出ても全く割に合うものではない。だから自分の持ちたくない部活動を持たされるのは、とてつもなくきついことなのである。
 
 とは言っても、部活動が生徒の人間的成長に寄与することは、多くの教師が実感していることであり、それ故にこれまでの先輩教員が続けてきたというのもまた事実である。ここニ、三十年で部活動の時間がおよそ2倍に増えているのは確かにやりすぎだ。しかし、長年引き継がれてきた日本独自の教育的遺産をそう簡単に潰すべきではないと考える。

 そこでなされるべきは、
①部活動の顧問に活動分の時給を支払う。(最低でも時給1000円)
②教育員会は部活動の希望をもっと重視すべき。教員からすれば、教科と同じくらいの重みである。

①に関しては、当然のことなのだが、実際には、休日1日出勤しても、4000円くらいが限度になっている。まず教育に対する予算が足りないのである。ただ文句を言っても仕方がないので、まずは部活動費にかけられる予算をあらかじめ提示し、そこで出せる以上の活動をしないとするべきである。予算がどうしても足りなければ、その分は部活を持たない教師から引くぐらいすべきである。そうすれば、部活を持たない年配の教師が働き以上の給与をもらい、部活をもっている若手が働き以下の給与をもらっている現状を少しは是正できるだろう。当然時給を払うからには、それなりのしっかりした活動報告書が必要になる。その検証は校長や教頭が担うことになるだろう。
 
 ②に関して、教育委員会はもっと部活動のことを人事の際に気にするべきである。私は少し気にして調整さえすれば、部活動に対する教員の不満の大部分が解消されると思う。

まとめ
 
 生徒が人間的に成長する上で、部活動が及ぼす寄与は大きい(研究者の方にはもっとエビデンスを出して欲しいが)。持続可能な部活動を進めるべく、できることはまだまだある。一人一人が当事者としてこの社会問題に向き合って欲しい。