教師に絶対読んで欲しい本シリーズ『教師力をアップする100の習慣』

Saturday 28 December 2019

学校教育 教員採用 書評

 私が教員になろうとする大学生や新人教師に読ませたい本は?と聞かれたら、今後はこの本をオススメしようと思ってます。
  『教師力をアップする100の習慣』大塚譲二著
 です。
 
 私は公立学校で五年間働きましたが、この本はまさに現場の先生が、教師としてうまくやっていくために本当に必要な実践的スキルを総合的に教えてくれています。私はここまで現場目線から、実践的な内容の本を今まで読んだことがありません。「アップする」とタイトルにありますが、初めて教壇に立つ新人教師にこそオススメです。大学を卒業していきなり即戦力を求められる教師は本当に大変です。なぜなら学校で働き始めると、大学で習っていないことばかりに遭遇するからです。そういった未体験のトラブルが重なって、あまりの疲れやストレスで初年でやめてしまう教員も少なくありません。そういう教員が少しでも減るように、この本がもっと多くの新人教師に読まれることを願います。

 いくつか印象的な部分をあげてみましょう。

・教師とは「中庸」が最重要課題である。中庸とは、相互に対立する2つの極端な概念に偏らない自由な立場による調和がとれていること。

・学校はダムが決壊するように、弱い教師の授業から崩壊していく。1つの授業が崩壊すると連鎖していく。
・リーダーシップをとることから逃げない
仕事に追われるな。仕事を追え。

などなどです。
 特に私は最初にあげた「中庸」という言葉が日本の公教育における理想的な教師像の一要因だと思っています。中庸という単語を明鏡国語辞典で調べると、「特定の考えや立場に偏らず、中正であること。行き過ぎや不足がなく、常に調和がとれていること」とあります。このような教員であるにはどうするべきか。それはまず周りの人の声に耳を傾けること、そして矛盾するようですが、絶対的な軸(基準)を自分の中に持っておくことでしょう。
 本書は、この「中庸」な教師像を求めています。教員の全ての方にぜひ一読していただきたいです。