高校生に起業家マインドではなく、起業させてやる環境づくりを

Sunday 20 October 2019

その他 学校教育

 
こんにちは、まさです。今日のテーマは、「起業」です。それも社会人や大学生の起業ではなく、「高校生からの起業」です。

日本の高校生はかわいそうだ

先日私の勤めている学校のアメリカ人の先生が、「日本の高校生はかわいそうだ」といっていました。何がかわいそうかというと、高校生に与えられるべきあらゆる機会が阻まれているというのです。彼は、先日うちの学校の高校2年生の生徒でカンボジア研修にいった生徒の話をしてくれました。その生徒は各国の高校生が集まるリーダーシップ研修に参加したのですが、フィリピンやシンガポールなどの学生が高校生の頃から自分で起業している実態を目の当たりにし、ショックを受けて帰ってきたということでした。

アメリカのトップ大学に入るには、課外活動が重視される

というのも、その学生はアメリカの大学を受験するつもりなのですが、アメリカのトップレベルの大学を受けるような生徒たちはみな学力はほぼ満点で差がつかないため、評価されるのが課外活動になるからです。アメリカ人先生曰く、トップ大学にいくようなアメリカ人学生は勉強はできて当然で、それ以外にみな地域のボランティア活動をしたり起業したりするのが普通になっているということでした。日本の大半の高校生のように勉強だけやっているだけでは、同じくアメリカで学ぼうとしている経済成長著しいアジアの学生たちには勝てないのです。

アルバイトを想定した学校の労働禁止の校則

日本の多くの高校では、お金を稼ぐために働くことが制限されています。そこで想定されていることはおそらく、いわゆる小遣い稼ぎ目的の「アルバイト」でしょう。「せっかくの高校生活なんだから勉強や部活に精を出しなさい。アルバイトなんか時間がもったいない。」というのが大方の先生や保護者が思っていることではないでしょうか。私もそう思っていました。

競争相手はグローバルになり、さらにAIが仕事を奪っていく。

しかし、それはあくまで彼らの競争が国内に限られている時代の話であって今はもはやそのような時代ではありません。グローバルな人材競争が激化し、さらにあらゆることにAIが入ってきて既存の仕事が猛烈な勢いでなくなっていくといわれています。

必要なのは、豊かな創造性やイノベーションを起こす力

そのような時代に圧倒的に必要とされるのは豊かな創造性やイノベーションを起こす力です。そしてそうした力は、実際に当事者になって本気でやってみる、そしてそのトライアンドエラーの中で生まれてくるものです。たとえ高校での起業に失敗しても、その失敗こそが彼らにとって何にも変えることのできないかけがえのない経験になるはずです。

ビジネスとは、お金儲けのみを追求するのではなく、地域社会の諸課題を解決するもの

日本では、子どもにマネー教育はあまりしません。その裏には、お金を儲けることのみに囚われてしまうことへの危機感があるのでしょう。しかし、本来ビジネスの目的は、お金儲けだけでなく、社会の諸課題を解決する手段ともいえます。地域の課題を見つけ、そこからビジネスを生み出そうとする生徒たちを、学校や保護者は支援するべきなのです。

学校は今後、豊かな創造性やイノベーションを起こせる機関にならない限り、存在価値がなくなってしまうかもしれない

これまでの学校教育は、均質の労働者を多く生み出す機関としてなりたってきました。しかしこのまま何も変わらなければ、最悪、「失業者を大量に世に送り出す機関」になってしまいます。今後は、起業やボランティアなどいろいろなことに挑戦する生徒をどんどんサポートしてやるような機関にならない限り、学校の存在価値はなくなっていくでしょう。そういう危機感をもって、教員は様々なことを学び続けないといけないのです。

まとめ

 いかがでしたでしょうか。様々な障壁があるとは思いますが、学校が社会から必要とされるには、創造性やイノベーション人材を育めるような教育環境を提供しなければいけないことがわかりました。そしてそのためには実際に起業させてみて、失敗から学ばせるというのが有効なんだなと思いました。私自身ももっともっと教師としていろいろなことを教えられる社会とつながりをもった教師でいたいと思います。精進します。ここまでおつきあいありがとうございました。