ナルコレプシーの人のための処世術10箇条

Wednesday, 9 October 2019

ナルコレプシー

 


私自身15年近くナルコレプシーを患ってきましたが、それらの日々は端的に言えば、眠気とのきつい戦いでした。その戦いの中で、自分が学んだ処世術をここに紹介します。



 1. 夜の眠りを生活の最優先事項にせよ

  人生において仕事や子育て、趣味などの優先順位は人によって様々でしょう。しかしナルコレプシー患者であれば、私は「夜の眠り」を最優先にすることを強くお薦めします。夜の誘いや観たいテレビ番組などいろいろな誘惑があっても、明日の自分のために決まった時間に寝ましょう。また睡眠時間の中でも特に、眠り始めの3時間を最も大事にしましょう。ここで眠りの質がきまります。

  夜しっかり眠れなければ、日中行われるどんな活動も集中してできません。今のところどんな眠気対策も、一度眠くなったらナルコレプシー患者にとっては何の役にも立ちません。眠いと感じればその眠気はどうやったってとても抑えられるものではないのです。だからとにかく夜の眠りを常に優先するようにしてください。ただ私は初期の頃は、夜寝る時間が怖くてしょうがありませんでした。悪夢のためです。そのためにサプリをお勧めします(モディとアナフラニールに加えて)。以下参照。

 2. 決められた薬の量を守れ

  医者に言われた薬をちゃんと守りましょう。薬にはだいたい何らかの副作用があるものです。勝手に飲む量を増やしたり、飲むのをやめたりしてはいけません。医者にちゃんと相談しましょう。

 3. 自分にあった睡眠サプリをみつけよ

  私はカルニチンと睡眠サプリ(主成分は大麦ギャバ、グリシン、トリプトファン)を飲んでいます。カルニチンは発症から7年目から、睡眠サプリは13年目から飲み始めました。そしてつい先月、さらによい睡眠サプリを見つけ、それに切り替えました。ナルコレプシーは日中強い眠気に襲われるのがつらいところですが、その根本は夜ちゃんと寝られないところにあると私自身は感じています。だから、少しでも眠りの質を向上できるのなら、サプリもとことん利用しましょう。私が見つけたとっておきのサプリを知りたい方は連絡ください。直接教えます。

 4. 夜寝る3時間前には夕食を済ませよ 

  これもつい最近実感したことです。眠りに入る時胃の中に食べ物があると、眠りの質はよくなりません。寝入り端の悪夢にも大きく影響してきます。仕事が7時以降に終わる人は、5時くらいに夕食を済まし、就寝前にお腹が空けば、ほんの少し夜食をとって、寝るのをお勧めします。

 5. 横向きもしくはうつぶせ寝をマスターせよ

  これも以前に紹介したように、横向きやうつ伏せの方が、明らかに悪夢出現量が減ります。データも出ています。それ用の枕もありますので、探してみてください。

 6. 週に2回はジョギングをせよ 

  ナルコレプシーを患っていると、代謝が悪いからなのか、食べ過ぎてしまうからなのか、とにかく脂肪がたまりやすい体になりますよね。そこで運動が不可欠になってきます。一番手軽にいつでもすぐできるのがジョギングです。私は時間があれば、近くの公園を走るようにしていますが、これにより体だけでなく頭もすっきり冴えていろいろなアイディアが湧いてきます。ジョギングでなくても、自分にあった運動を続けるようにしましょう。「運動をしないということは、毎日不健康になるための薬を飲んでいるということ」という言葉をどこかで読みました。そういうことです。
 

 7. 同じ症状に苦しむナルコの人とつながるべし

  なるこ会に出席したり、ツイッターやフェイスブックを駆使してナルコで苦労している人と繋がりましょう。つらさを共感してくれる人がいるとそれだけで心が和らぐと思います。

 8. 眠気のあるときにはお金に関わること、信用にかかわること、安全に関わることを決してしてはいけない

  これは自分の経験談からです。眠けがあるときは、決してお金や信用(仕事等)、安全に関わること(運転等)をすべきではありません。他のことをしてやり過ごすか、たとえその時間を無駄にしても我慢しましょう。あとで失敗の後処理をする方が100倍大変です。ちなみに私は大事な決断は朝するようにしています。自分の一番頭が冴えている時間を意識して、大事なことをその時間にやるようにしましょう。

 9. ストレスをためてはいけない

  ストレスを貯めると一番大事な睡眠の質がさらに低くなります。ストレスがたまらないように仕事をコントロールしましょう。コントロールできなければ、転職するのも一手です。大きな事故を起こすよりはましです。ストレスを溜めないために、特に大事なのが人間関係です。人間関係を良くするには、人に優しく、自分に厳しい人間になりましょう。ストレスを解消する自分なりの方法をいくつか持っておくことも大切です。私の場合はジョギング、剣術、読書、楽器演奏です。

 10. 自己嫌悪や自己憐憫に陥ってはいけない。

  ナルコレプシーで他人から叱られたり怠け者だと決めつけられても、自分を嫌いになってはいけません。また自分をかわいそうだと思うべきではありません。そう思うと受け身な態度になり、様々なチャンスを逃してしまいます。むしろ「自分はよくこのハンデでここまでやってるな」と心の中で自分を褒め、日々自分を鼓舞しましょう。実際そうなのだから。