新卒で教員になるか、「社会経験を積んでから」教員になるか迷っていたら

Thursday 5 September 2019

教員採用

 
こんにちは。今回のテーマはよく新卒の教員志望の子が抱える悩みです。私自身が同じことで悩みました。そのときに、私の大学に来てくださった卒業生の教員の方が、とても印象的なことを言ってくださったことで、私は教員になることを決意しました。そのときの話を紹介します。

ある学生:本日は貴重な教員の現場の話を聞かせていただきありがとうございました。1つ質問させてください。私は今新卒で教員になるか、それとも社会経験を積んでから教員になるか迷っています。先生はどうお考えですか?

卒業生の教員:個人的には、自分は新卒で教員になってよかったと思っています。若い頃に、年齢のまだそれほど離れていない思春期で不安定な生徒たちと向き合っていくという経験は、教員として何事にも変えられない貴重な経験だと思います。もちろん、周りには企業から移ってきた先生もいらっしゃいますし、素晴らしい教育を実践されている方もたくさんいますが。

 この言葉は、結構自分にとって重いものでした。

 「教員は社会に出てないから、一般常識からずれている」ということが言われます。だから企業で数年働いて、「社会経験を積もう」という学生が結構います。しかし、本当にそうでしょうか。これはある優良企業から民間校長になられた方がおっしゃっておられたのですが、
 「先生方は社会にでていないから世間知らずだといわれることがありますが、そもそも、学校は社会の一部ではないのでしょうか?そこでいわれる「社会」とは企業社会のことであって、本来の広い意味での「社会」ではないんじゃないですか。二、三年の企業経験を積んだだけで、「社会経験のある大人」になれるとは思いません。」というようなことをおっしゃっておられました。

 新卒で公立の教員になったとき、まさにその通りだと思いました。確かに、企業で働くのとはマインドが違うのかもしれませんが、企業と同じように、スキルや経験、人間的にも尊敬できる方もいれば、常識がないと言われかねない方もいました。結局は自分次第なのです。

 ただ、仮に、「2、3年で会社をやめて教員になろう」と考えているのであれば、あまりオススメはしません。なぜなら初めから「逃げ」ありきになってしまうからです。2、3年でやめようというような考えで働き始めるのは、よくないです。なぜなら働き始めの数年間が、人間の労働観を大きく決定づけるからです。本当に教員になりたいという思いが強いなら、とりあえずなってしまいましょう。そして自分に合わないと思えば、転職することも今の時代、そしてこれからの時代ならますます可能になってくるでしょう。