ナルコレプシーの偉人② ウィンストンチャーチル(Winston Churchill) ?

Thursday, 29 August 2019

ナルコレプシー

 近年はBrexit問題で何かとお騒がせのイギリスですが、そのイギリスで歴史上のリーダーの中で不動の人気を誇るのが、ウィストン・チャーチルです。そう、第二次世界大戦でイギリスの首相として、ヒトラー率いるナチスから国を守り抜いたあの男です。彼は文才もピカイチでノーベル文学賞まで受賞しています。現首相のボリスさんもチャーチルのファンで『チャーチルファクター』という本を執筆しています。一方で、チャーチルは無謀な作戦で多くの自軍の兵士を殺したとか、日本に落とされた原爆開発に深く関わったとか(https://www.nhk.or.jp/docudocu/program/2443/3115413/index.html)今でも世界的な評価は別れているようです。


 
 そんなチャーチルですが、実はナルコレプシーではなかったかというサイトがちらほらあります。ここではその噂について検証してみます。

 まず、その噂の出どころは彼の発言、習慣にあるようです。

 "When the war started, I had to sleep during the day because it was the only way I could cope with my responsibilities."
 「戦争が始まったら、日中は眠らなければけない。なぜならそれが私が責任を果たせる唯一の方法だから。」

 "he sets the alarm, undresses, gets into bed, wakes up in 30-60 minutes (Churchill clocked up a daily two-hour kip) and is back at work 10 minutes later. "
「彼はアラームを設定し、服を脱ぎ、ベッドに入る。30〜60分で目が覚める。(チャーチルは1日2時間の昼寝をしていた)そして10分後には仕事に戻る」

 身体的な特徴に関して、身長は5ft 8ins(174cm)ほどで、様々な彼の写真をみる限り、結構太っていることがわかります。ナルコレプシー患者は代謝機能がうまく働かず太り気味になりやすいことはわかっているので、その点ではナルコレプシーの可能性はあるといえるかもしれません。

 彼は幼少の頃は成績も悪く、学校ではいじめられていて、それが彼の人格形成に大きな影響を与えたようです。大学も彼の周りの友達が行った名門オックスフォードには行けませんでした。ナルコレプシーは特に10代から20代前半の大きなストレスもその発症と関わりがあると思われますが、その点においてはナルコレプシーの可能性はあるといえるかもしれません。

 
 これらのナルコレプシー的な言動や習慣、生育環境、身体的な特徴は確認できましたが、ナルコレプシー特有の症状、例えば悪夢とか脱力発作に関しての記述はネットからは1つも見つけられませんでした。そのため、私の個人的な意見では、彼は単なるショートスリーパーで、ナルコレプシーではないと判断しました。

 さて、世界的にはいろいろな評価のあるチャーチルですが、イギリス国内では絶大な人気を誇るようです。映画や本も度々話題になっています。私はこの記事を書くにあたり、彼の映画を一本みました。


ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男 (字幕版)という2018年の映画です。アマゾンの評価をみると、歴史の事実と違うなどの意見が散見されましたが、映画としては私は楽しめました。特に彼の人柄は十分に伝わってきました。映画の中で、彼の奥さんが
You are strong because you are imperfect.
You are wise because you have doubts.

とチャーチルに言っているところがありました。これが彼を今でも人気たらしめている魅力な気がしました。



出典
https://www.noted.co.nz/health/health-health/sleep-why-its-the-new-luxury-and-how-to-get-more-of-it

https://www.telegraph.co.uk/news/politics/conservative/11154004/Sir-Winston-Churchill-may-have-had-short-man-syndrome-suggests-Boris-Johnson.html