ナルコレプシー患者の人の呼吸って…

Wednesday 28 August 2019

ナルコレプシー

 ナルコレプシー患者は、脳内のオレキシンという神経伝達物質が不足しているということは、桜井武、柳沢正史両教授らのチームによって1998年に明らかにされている。このオレキシンは、睡眠、覚醒、摂食行動、自律神経系の調節に関わっているとされる。

 ここではオレキシンと呼吸という観点から考察を進めてみたい。なぜかといえば、常々私は自分の呼吸に関して、ふと「あれ、今おれずっと呼吸していなかったかな」と何とも奇妙な感覚を味わうことがあったからだ。また、以前の記事で、寝ている最中に頭が鬱血状態になるということを書いた。その理由の1つも、呼吸が適切になされず酸素が十分に脳に供給されていなかったからではないかと考えているからだ。

 さて、オレキシンと呼吸の関係を論文で調べてみると、予想通り、見事に素晴らしい論文を発見した。兵庫医科大学の荒田晶子准教授の『呼吸の意識・無意識の切り替え
発声・呼吸モードスイッチング機構─』(2019)という最新の論文である。
 
 内容が私のような素人には非常に難しいので、何となくわかったことをまとめると

・荒田先生によれば、「呼吸運動は,無意識な自律的運動と, 意識的に呼吸を制御する大脳からの随意的運動の二重構造 となっている。」つまり、呼吸には意識的に行う呼吸と無意識下で行われる呼吸があるということ

・自律神経に交感神経と副交感神経の二種類があり、吸息時には交感神経が優位に,呼息時には副交感神経が優位に働くと言われている」という。

腕傍核と KF 核という呼吸調節中枢機能を持ったものがあり、これらは吸息から呼息に切り替えるシステムを持っている。腕傍核を破壊すると吸息相が長くなる持続的吸息が現れ,腕傍核は迷走神経が働かない時の吸息相を終わらせる役割を持つと言われており,それゆえ,吸息オフスイッチと言われている」らしい。そして、オレキシンが,腕傍核の後吸息様ニューロンを活性化すると いうことも報告されている 」らしい。

 難しい…。つまり、オレキシンが「腕傍核の後吸息様ニューロンを活性化する」ことによって、呼吸でちゃんと息を吸ったところから、はく動きに切り替えが行われるということなのか。そうするとオレキシンが欠乏していれば、息を吸ったままはく動作に切り替わらないということか。いや、それは考えただけでも恐ろしいのだが、とにかく、オレキシンが欠乏することによって呼吸に何らかの問題が生じることはわかったのであった。

詳しくわかる方がいれば、教えてください。はあ。疲れた。