公立中学校教師の仕事を最もリアルにちゃんと描いている本ならこれ。

Sunday 8 November 2020

教員採用 書評

  これから教職に就こうか迷っている人、教員初任者、若手にまず読んで欲しい1冊を紹介します。


 私は新卒以来教員をしていますが、「中学校教員です」というと、「大変ですね」と言われることが多いです。この仕事の大変さが世間で結構認知されてきているんだなと感じます。「やりがいがあるから」という一言で仕事を美化することはできません。私の以前の職場では授業崩壊に近いようなことが起こり、毎年1、2人、ストレスで辞めていかれました。この仕事では、そういう状況においても、信念を持って自分を維持できる強い精神力が求められるのです。

 そんなリアルな状況を包み隠さず正直に描いている本が 

 『中学生を担任するということ ゆめのたねをあなたに』高橋史郎著

 です。著者は公立中学校で長年働かれてきた方です。私も現場にいますが、まさにこの本で描かれていることが毎日起こっています。多様で繊細な中学生と向き合うことがいかに大変かということが実感できるでしょう。しかしこの本はそのような大変な状況になかに、希望があることを見事に示唆しています。本の帯にあるように、まさに「担任をする先生たちへの応援歌」になっているのです。迷いがある方、一度手に取って見てください。