教師に絶対読んで欲しいシリーズ『こころの深呼吸 気づきと癒しの言葉366』片柳弘史著

Sunday 11 October 2020

書評

 大変な労働環境の中で教員を続けていると、時に心が折れそうになることがあります。そんな時には本書がオススメです。著者はマザーテレサに勧められて神父になったという方です。本書は、1日1ページで366日分の言葉を聴けるようになっています。

 私が最も気に入ったのは以下の言葉です。

p.11  想像力の限界

 人間は、先に起こる不幸を想像するとき天才的な力を発揮しますが、先に起こる幸せを想像するのは苦手です。だから、先のことについては、バランスの悪い想像しかできないのです。先のことは神様に委ね、わたしたちは「いま」に集中しましょう。


 このことばを読んだとき、私は人生に漠然とした不安を感じていました。「今」を全力で生きるべきとよく言われますが、なかなかそういう気分になれませんでした。

 なぜか。それは先に漠然とした不安があるからです。自分は一生このまま孤独でつまらない人生をおくるのかと思うと、「今」に集中できないのです。


 ところがこれが、未来は必ず素晴らしいものになると確信がもてるならどうでしょうか。そうなると、何かウキウキしてきて、「今」が楽しくてしょうがなくなり、物事に集中できるようになります。さらに未来がよくなると確信できれば、今度はそのような素晴らしい未来をもつ立派な人間になろうと、より自分にとって意味のあることに取組み、結果的に充実した時を過ごせるのです。


 「ことば」には偉大な力があります。著者の一言一言を噛み締めて、心の糧にしていきましょう。特にこころが疲れている時ほど、著者の言葉がより深く入ってくると思います。