GIGAスクール構想がコロナ危機によって、ついに物凄い速さで動き始めています。
ICT機器を使う上で今後教員が新たに指導すべきことが増えてくるでしょう。その1つとして、コピペの問題があります。これまでは小中高ではワークシートに手書きの課題が当たり前でしたが、今後はテキストをタイピングして提出するということが増えてくると思われます。そうなったときに教師が直面する問題がコピペ問題でしょう。例えば、「地元の歴史を調べよう」という課題を出した場合(そもそもこんな調べ学習を今、昔の感覚でだしてはいけないのかもれない)、ネットでウィキペディアをコピペすればあっという間にできがってしまいます。それをみて、教員として何かがっかりというか、腑に落ちない感情がわくのではないでしょうか。
学術論文では
数年前、英国に大学院留学しました。日本の大学を論文を書かずに卒業した私が苦労したのは、英語論文の書き方でした。何が大変だったかというと、論文というものに対する考え方を変えなければいけなかったことです。日本でもそうなんでしょうが、学術論文を書く場合には、「自分の考え」をただ蕩々と述べてはいけません。なぜならその考えはほぼ、先人が考えているからです。だからひたすら先行研究を読み漁り、それを自分の考えに切り貼りして適切につなげていきます。その際に、他の論文からただコピペばかりしていてはいけません。
直接引用と間接引用
引用には直接引用と、間接引用があります。直接引用は文字通り、他の論文に述べられていることを、一字一句正確に引用すること(いわゆるコピペ)です。これに対して、間接引用とは、同じ内容を自分の言葉で言い換えて引用することです。このように自分の言葉に言い換えることを「パラフレージング」と言います。修士論文では、論文のコピペを一瞬で見つけるソフトがあって、何%(正確な数字を忘れてしまいましたが)までの直接引用が許されるかという数字が細かに明示されていました。
パラフレージング
英語圏では、このパラフレーズの訓練を初等教育の段階から重点的にやるそうですが、日本ではあまりなされません。それは日本語と英語の言語としての特質等も関わっていそうですが、それはともかく、今後は国語の授業においても、このパラフレージング(言い換え)の訓練の必要がもっともっとでてくるでしょう。ただコピペすることが、深い学びとはいえません。それを自分の中に落とし込んで、自らの言葉に変えて述べることで、確かな学びとなるのです(ちなみに、当然ですが、パラフレーズしてもそれはあくまで元の書き手の考えなので、参考文献を明記しなければいけませんよ)。
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