『文系の私に超わかりやすく高校数学を教えてください。』(西成活裕著)が面白い!

Thursday, 13 August 2020

書評

こんにちは、中学校英語教員のまさです。 

 私は中学受験の時に既にド文系を実感していましたが、一応高校の文系数学(数Aと数Ⅰ)まではこなしました。ただ数学に対するモチベーションが上がらず、結局大学受験では文系受験を選択しました。しかし実は今でも数学に真剣にとりくまなかったことを後悔しています。なぜかといえば、「わからないからといって途中で数学の勉強を諦めたことに対する自責の念」、そして「数学的思考が足りないことを日常業務でかんじることがある」からです。後者に関しては、例えばテストの分析やエクセルの関数などを扱う時に、自分の数字に対する感覚の弱さを感じるわけです。

 さて、そんな経緯で最近数学を勉強し直そうと思い、本屋で平積みになっていて手に取ったのが今回私が強くオススメする『文系の私に超わかりやすく高校数学を教えてください。』(西成活裕著)です。著者は東大教授で渋滞学の創始者、西成先生です。

 これを読んでまず何が私を数学嫌いにしていたのかがわかりました。それは、算数と数学の世界ではストーリーが感じられなかったことです。言い換えれば最終ゴールがわからなかった、もしくは全体が見渡せなかったということでしょうか。西成先生は、以下のようにまず全体図を示してくれています。

分類


 

中学数学のゴール

高校数学のゴール

代数

algebra

数式

二次方程式

データを扱える

・数列の和の計算

・順列と組み合わせ

・分散と標準偏差

解析

analysis

グラフ

二次関数

4つの関数をマスターする

・二次関数

・指数関数/対数関数

・三角関数

幾何

geometry

図形

ピタゴラスの定理と円周角と相似

ピタゴラスの定理を一般化

・三角比(sin,cos)の理解

・余弦定理の証明

(+ベクトル)


 こんな図をまず高校数学を始めたときに見たかったです。そして、数学の目的は、「世の中の課題を解決すること」ということを知りたかった。

 さらに私が個人的に感銘を受けたのが
解の公式はx2 + ax = (x + a/2)2 a2/4 の方がわかりやすい。
・指数関数と音楽の関係。
三角形を描くときは、直角が右下にくるように置くのが流儀。そのとき「左シータ」になる

 です。こんなことは教科書にのっけてほしいですね。

 学びは一生モノです。It's never too late to start. 今から数学を学び直したい人はぜひ本書を手に取ってみてくださいね。