ナルコレプシーの私はなぜ会議で眠ってしまうのか。

Sunday, 3 September 2023

ナルコレプシー

  ナルコレプシーによって私が生活上で一番困っているのは、会議や講義で居眠りをしてしまうことである。この症状はナルコレプシーになって15年経っても変わらない。座ってじっと人の話を聴き始めると、10〜15分で意識が遠のき、気づくと眠りに落ちている。これは本当に不思議なことである。なぜ「人の話を聴いている」とき、特に「無意識」に眠りに落ちることが多いのだろうか。一つは、夜間の睡眠が十分でないということが9割であるが、私はそれだけではない気がしている。

  人の話を聴くということに注意が向けられてしばらくすると、無意識に眠りに落ちる。ということは、注意をむけるというアクションが増えて、脳がガス欠で気絶するということなのか。それとも、人の話を聴くためにとる姿勢(動きを止めるような)や受け身的な態度により、脳の覚醒スイッチがオフになってしまうのか。

 先日不思議なことがあった。いつものように講義が行われ、例のごとく私は開始15分くらいで意識が飛びそうになった。いや、いつもなら確実に飛んでいた。しかし、そのときは、違ったのである。どう違ったかというと、意識が飛びそうになる瞬間に、もう一人の自分が「今まさに意識が飛んでしまいますよ」と私に気づかせ、意識を飛ぶことを防いだのである。これは驚くべき経験だった。無意識に眠りに落ちようとしていた自分を、「今まさに眠ろうとしているよ」ともう一つの無意識が教えてくれたのである。