教員は、人生のメンターであれ。

Friday, 2 July 2021

学校教育 教員採用

  私の職場には、2年連続で定年退職した校長さんが再雇用でやってきています。昨年までバリバリ校長として働いていたのが、いきなり職務が変わり、また地位も変わり、なかなか大変なようです。肩書きを意識してきた人間なら、きっと耐えられないだろうなと思いますが、わたしのところにいらっしゃっている元校長の方々は、若手教員に頼まれた雑用的なことにも愚痴1つ言わず取り組んでいてすごいなと思います。こういう人が偉くなるのでしょう。

 それにしても、そういう再雇用の方々を見ると、なんか少し寂しさのようなものを感じます。これまでのような多くの生徒や教員との人間関係、それも長らく多くの人に頼られてきた人が、仕事を辞めて頼られなくなると、それは少し辛いんだと思います。どうやって、定年退職後も従事した人生をおくることができるのか。そこで最近考えているのが、教員は生徒の一生のメンターであるべきだということです。 

 今年のクラスには勉強が全くできなくて、将来のことなど微塵も考えていないような生徒が数人います。そういう生徒もとりあえずは高校に行くのでしょうが、おそらくそのうちの何人かが中退することになるのでしょう。そうなったとき誰を頼ればいいのか。

 高校を卒業しても、大学受験、就職活動といろいろな試練があります。またその後の結婚や子育て、もしくは仕事での昇進などライフステージはいろいろ変わっていきます。そういったときに、長期的に一貫して見てくれているメンターのような存在がいればそれは心強いことでしょう。それを中学校の教員が担うべきだと思うのです。メンターの方も、現役を退いても人から頼られるということを感じ、幸福度は上がります。

 そのために卒業してもそこで生徒との縁を切るべきではありません。私が今考えているのは、一年に一回は先生に会いたければ会うことができるという仕組みを作っておくことです。例えば教員が卒業式に生徒にこういいます。「毎年、○月○日に〜レストランで待ってます。先生に相談あればそこにきてください。」これで生徒は一生、教員に相談したければできるのです。「先生」はいくつになっても「先生」とはよく聞く言葉です。メンターとして相応しい生き方を心がけてください。