私学教員になる方法 ここだけの話

Tuesday 13 August 2019

教員採用

 
私は初め公立学校で働いてましたが、大学院のために一度退職し、教員として再就職するために、私学をいくつか受けました。その経験から、ここではあまり語られることのない、私学教員になるための方法を紹介します。
 
 ただ、私学と一言で言ってもその学校の様子は千差万別です。大きな括りで考えれば、①校種(中高大付属一貫校、中高一貫校、高校単独校等) ②共学、男子校、女子校、男女別学校等 ③偏差値による区分(底辺校、中堅校、進学校、難関校、超難関校等)などです。学校によって学校文化は様々で、働き方も様々です。なのでここで紹介する学校が私学の全てだと捉えないようご注意下さい。また私は英語教師なので、基本的には英語科に関しての話になります。これが例えば体育科や技術科などでは話が若干違うところもあると思いますが、それ以外の科目に関してはかなりの相違点があると思います。

 まず、大学卒業後そのまま私学教員になるには主に以下の方法があります。

①各学校が出している求人広告から自ら選んで連絡をとる
②私学教員適性検査を受験する
③教員就職支援サイトに仲介してもらう。

 です。
 まず①から見ていきましょう。教育学部だったり、国公立の教員養成系大学等であれば、就職課などに行けば、おそらく私学教員の募集広告が見られるでしょう。そこから申し込むことができます。しかしながら、ここで注意が必要なのが、ある程度の私学であれば、修士以上の資格が必須条件になっていることです。だから大学四年間のあとにすぐ正採用として働くところを見つけるのは簡単ではありません(特に主要5教科)。実際私学で働いてみますと、結構多いのが、大学院の修士生として研究を続けながら、非常勤講師として週に2、3日私学で働き、修士(博士)課程終了後そのまま正採用として就職するケースです。これは少しでもお金を稼ぎたい大学院生側と、勤務態度を見極めてから修士レベルの大学院生を雇用したい学校側のウィンウィンのケースと言ってよいでしょう。
 
 続いて②のケースです。東京の場合、一般財団法人 東京私立中学高等学校協会というところが、私学教員適性検査を実施しています。

www.shigakukyoin.com/inspection2019/

▼実施要項(PDF)は本ページ下部にあります。
目的
東京都内の私立中学校および高等学校の教員を志望する人に対し、教員としての資質と適性の基礎的・基本的な事項について検査することを目的とします。
■説明会のお知らせ
[日時] 2019年5月7日(火) 18:00~
[会場] アルカディア市ヶ谷3階「富士」(予約不要)
[内容] 私立学校と公立学校について
私学教員適性の概要について
私立学校の教員採用方法について
[交通] JR(中央・総武線 各駅停車)「市ヶ谷駅」
地下鉄新宿線・有楽町線・南北線「市ヶ谷駅」徒歩2分
検査日・会場
[検査日] 2019年8月25日(日)
9:15  検査室集合
9:30  検査開始
12:10  検査終了
[会場] 東京都千代田区内などの私立学校
(受検料20,000円[税込])
受験料が20000円するので、ちょっとためらってしまう人も多いと思います。あくまで私個人の経験上ですが、私学教員適性検査を受けるより、各学校の出している求人広告から直接その学校に申し込んだほうがいいでしょう。おそらく、この適性検査を教員採用に利用している学校は、個別の求人広告を出していてもいい人材が取れないところです。ただ大学4年生で私学を自分で探す場合、その採用試験は学校によってまちまちなので、なかなか決まらないと不安になるでしょう。企業に就職する人たちはおそらく8月くらいにはもう内定もでていることでしょう。だから、保険的な要素で、この私学適性検査を受けておくというのはありだと思います。


③の教員就職支援サイトに登録して、就職先の学校を仲介してもらう方法もあります。代表的なところでいけば、教員採用.jp(https://kyoin-saiyo.jp/や、E-staff(https://www.e-staff.jp/)などがあるでしょう。しかしながら、経験上、私はあまりこのやり方をおすすめしません。なぜなら、仲介をするということは、そこにマージンが発生するわけで、そのマージンは学校側が払うということであり、つまりは教員の給料からひかれる引かれるわけです。私の場合、仲介会社を通して非常勤としてある学校で働き始めましたが、私が受け取った時給は3000円くらいだったろうと思いますが、学校が仲介会社に払っている額は5000〜6000円くらいでしょう(その会社の人がたまたま大学の友達だったため得られた情報)。私が働けば働くほど、仲介会社にお金が行くということです。学校側がこのような仲介会社に頼むメリットとしては、教員の研修等を仲介会社がやってくれ、それによって人物保証をえられるというところにあると思います。私立学校としては、変な人間を教員として雇い、不祥事でも起こされたら一巻の終わりです。だから、面接から研修まで仲介会社に頼み、品質保証を得てから採用を決めるわけです。非常勤として働き始めて、その校長に認められ、晴れて正採用になる場合には、学校側は仲介会社にそれ相応のお金を払って会社からその人を買い取ることになります(人身売買?笑)。

 以上、大学卒ですぐに私学で働くための方法を提示しましたが、もし、本気で私学で働きたいなら、それもいい条件の私学で働きたいなら、上に述べたように大学院に行かないと厳しいのが現実です。そして私の知る限り、いい私学(往往にして偏差値が高く、労働環境、待遇がいい学校)は、余程のことがない限り非常勤で数年働いてから、正採用にしていきます。もしくは学校の転職を数回し、確実にステップアップした教員を採用します。だから、あなたがもし大学卒業したてでいい私学に就職したければ、大学院に進学するか、とりあえず非常勤で教員としてのスキルを磨いてステップアップを目指すかのどちらかでしょう。目安として、私学は20後半から30歳前半くらいの正採用が多い感じなので、それまでいかなる学校にあっても、自分のスキルを高めていきましょう。